City Ballet Selection / Quartet of the Soul

City Ballet Selection

『挽歌』

音楽 / J.シベリウス「トゥオネラの白鳥」
振付 / 石田種生
バレエミストレス / 長谷川祐子
衣裳 / 田代洋子

振付
石田種生
Taneo Ishida

慶応義塾大学在学中、バレエ研究会を設立し、松尾明美、松山樹子に師事。服部・島田バレエ団、青年バレエ・グループ、松山バレエ団を経て1968年東京シティ・バレエ団を設立。以後多くの作品に主演する傍ら、『白鳥の湖』『エスメラルダ』『せむしの小馬』などを演出・振付。また、日本の風土を題材にしたバレエの創作をライフワークとし、『祇園祭』『枯野』『お夏・清十郎』『妖』『女面』など多数発表。著書に『舞踊 生と死のはざまで』など。 55年音楽新聞新人賞、83年文化庁・舞台芸術創作奨励賞、88年橘秋子特別賞、96年ニムラ賞、東京新聞舞台芸術賞、97年紫綬褒章、98年舞台芸術功労賞、2003年勲四等旭日小綬章。2012年没。

生きる愉しさ、生きる悲しさ。
年を経るにつれて、あの人も、この人も、あの世に旅立っていってしまった。
寂しさに抱かれた日向の思い出。
私は男ばかり五人兄弟の末っ子。昭和五十九年四月二十二日、一番上の兄が胃ガンで逝った。
荼毗に付した夜、遺品のなかの手帳に、こんな俳句が書きこまれていた。

冬の蝶黒きは誰の霊なるか

1995年「石田種生の世界」公演プログラムより

挽歌

『カルメン』よりパ・ド・ドゥ

音楽 / G.ビゼー「カルメン」
振付 / 中島伸欣
衣裳 / 桜井久美

振付
中島伸欣
Nobuyoshi Nakajima

スターダンサーズ・バレエ団を経て1974年東京シティ・バレエ団入団。「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「ジゼル」「くるみ割り人形」「シンデレラ」などの古典作品、創作バレエ「雪娘」「昭和25年、もうひとつの夏」(石田種生振付)「ケイク・ウォーク」「トッカータ」(石井清子振付)ほかに多数主演。 82年アメリカ国際バレエ・コンクールで特別審査員賞受賞したのち、文化庁在外研修員として、イギリス、アメリカに留学。83年よりアメリカのタン・パ・バレエ団とゲスト・アーティスト契約を結び、「ロミオとジュリエット」「ジゼル」などに主演する。90年より、振付家として本格的に活動を開始。 新国立劇場『J-バレエ』にて「Nothing is Distinct」を発表するほか「シャイニング・ブルー」「アンブラッセ・ル・タン」「失われた家族」(1993年度ベスト・スリー賞)「シンデレラ」「月の柩」(名古屋市芸術賞)「黒い羊たち」「弦楽四重奏第二番」「リ・バランス」「フィジカル・ノイズ」「カルメン」「ロミオとジュリエット」を上演。時代性を映し出すドラマチックな作品づくりと登場人物の鮮やかな描写に好評を得ている。 公益財団法人東京シティ・バレエ団理事。東京シティ・バレエ団監督。

現代版「カルメン」


原作の「カルメン」から立ち上がるこの女性のイメージは“力強い生命力”“経済的自立“”性的な自由さ“さらに”優秀な事務能力“(カルメンは盗賊団のために資金と物資の調達、逃亡ルートの指示など驚くほどの手際良さでこなしている)といったもので、これらのイメージはどれをとっても現代の働く女性にピタリと重なり合う。現代版の必然はここにあります。
フェミニズムの強い流れの中で、女性たちはこれらのイメージをますます大きく強くしているように僕には見えます。
今回、初演を踊った志賀育恵がカルメンを。数々のタイトルロールを踊り、素晴らしい経験を積み上げてきた今の彼女にしかできない、表現の深さと豊かさを味わっていただけると思います。
相手役のホセは、最近メキメキと表現力をつけてきた濱本泰然。色艶のある美しい身体と繊細な表現が、お客様の心をつかむと確信しています。

中島伸欣

四季

『四季』より「春」

音楽 / A.ヴィヴァルディ「四季」より春
振付 / 石井清子
バレエミストレス / 吉沢真知子
衣裳 / 君野美恵子

振付
石井清子
Kiyoko Ishii

5歳より踊りの道に入り、谷桃子バレエ団設立と同時に入団。ソリスト、プリマとして活躍後、1968年東京シティ・バレエ団設立と同時に参加し、創作活動を開始。75年文化庁派遣在外研修員としてフランス、西ドイツ、アメリカにおいて教授法、振付などを学ぶ。地元・江東区でこども達と東京シティ・バレエ団との協働による「くるみ割り人形」を名物に育て、バレエ界初の自治体(江東区)との芸術提携を実現。これまでに、「くるみ割り人形」「コッペリア」「ボレロ」など、50作品以上を発表するほか、98年より新国立劇場のオペラ「アイーダ」、オペレッタ「こうもり」の振付を担当。 主な受賞歴に、橘秋子記念財団功労賞、江東区文化・スポーツ功労賞受賞、平成23年度文化庁長官賞、平成25年東京都功労賞。現在、東京シティ・バレエ団顧問、一般財団法人日本バレエ団連盟顧問。

今から27年前の1996年に日生劇場の主催により「日生劇場国際児童フェスティヴァル」としてヴィヴァルディの「四季」が上演されました。
演奏はミュンヘンフィルのトップ奏者と、ヨーロッパの音楽コンクールで上位となった子供たち。指揮と解説はハインリッヒ・クルークさん、そしてバレエは東京シティ・バレエ団の団員と子供たちにより上演されました。

ヴィヴァルディは作曲するにあたり「ソネット(詩)」に基づき、音を表現しています。
例えば「春」は春の妖精たちが戯れている音。小鳥たちのさえずり。春になって雪が解け、小川の水のせせらぎの音。春の嵐。野原に遊ぶ子供たち。
春・夏・秋・冬、それぞれ「四季」を表す音が、ソネットの通り、楽譜に表現されています。

クルークさんから依頼を受けた私は、ヴィヴァルディが音楽で描く様々な情景を言葉で描いたソネット通りに振付をしなければなりませんでした。
今回上演するのは「春」の部分のみですが、春の到来の喜びを表現している音楽とソネットに沿った振付で上演致します。
どうぞ、音楽にのったバレエをお楽しみください。

石井清子

Heinrich Klug ハインリッヒ・クルーク

ドレスデン出身。ドレスデン音楽大学でチェロ、ピアノ、指揮法を学ぶ。 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席チェリストを40年近く務め、同楽団のファミリー・コンサートを指揮した。 また、1977年からは子供室内楽コンサート、1988年からは定期オーケストラのディレクターを務めている。 ベルリン、ウィーン、ハンブルク、イスラエル、イギリス、日本など、数多くの都市からも子どもたちのためのコンサートに招かれている。

四季

日韓バレエ文化交流事業

日韓バレエ文化
交流事業

韓国国立バレエ団 Quartet of the Soul

音楽 / A.ピアスラ「アディオス・ノニーノ」
振付 / パク・スルキ(韓国国立バレエ団プリンシパル・ダンサー)

2016年、韓国国立バレエ団の振付家育成プロジェクト<KNBMovementSeries2>で初演され、好評を博した本作は、ピアソラの『アディオス・ノニーノ』の音楽にのせています。 音楽に使われる4つの楽器をダンサーが身体で表現し、まるで身振り手振りで音楽が奏でられているかのように見えます。

韓国国立バレエ団招聘作品

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日本初!韓国国立バレエ団ダンサーと過ごす優雅なひととき

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出演ダンサーによる座談会

<シティ・バレエ・セレクション>出演ダンサーによる座談会を開催いたしました。
入団のきっかけからリハーサルの様子、公演の見どころまでお話ししております。
どうぞお楽しみください!