『眠れる森の美女』より
オーロラ姫の結婚

(株)アトリエヨシノ主催公演「The Fuji Ballet2016」より
写真:Movie制作(株)

INTERVIEW
衣裳デザイナー
小栗 菜代子
OGURI, Nayoko

PROFILE

<PROFILE>
愛知県出身。早稲田大学第二文学部卒業後、「工房いーち」林なつ子氏のもとで衣裳制作を学ぶ。イタリアに渡り、国立美術学院 Accademia di Belle Arti di Rome にてディプロマ修得。琵琶湖ホールのヴェルディ・オペラシリーズでスティーブ・アルメリーギ氏のアシスタントを務めデザインの現場で研鑽を積む。アントニー・マクドナルド、ロバート・パージオーラ各氏の衣裳アシスタントを担当。日生劇場『マクロプロス家の事』、東京二期会『ワルキューレ』『カプリッチョ』『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ』『チャルダーシュの女王』、東京室内歌劇場『曽根崎心中』『オルフェオ』『妻を帽子と間違えた男』『往きと復り』などの衣裳をデザイン。東京シティバレエ団では『ロミオとジュリエット』『ジゼル』『白鳥の湖』の衣裳を手がける。ローマ在住。

東京シティ・バレエ団の衣裳を手掛けるのは今回で何回目でしょうか?

今回で4回目です。またご一緒させていただけるのをとても嬉しく、また楽しみに思っています。

作品によっても魅せ方の違いがあると思いますが、今回の「オーロラ姫の結婚」のような華やかなシーンを彩る衣裳には、何を求められていると思いますか?

『眠れる森の美女』は登場人物も豊富でとても華やかな舞台です。特に三幕は、呪いから覚めて宮廷での結婚式というハッピーエンドのシーンなので、更に豪華なイメージですよね。他の作品ですとモダンな解釈なども面白いかと思いますが、この作品はやはりオーソドックスではありますがクラシックな宮廷の雰囲気が相応しいのではないでしょうか。バレエを観に来た人達が、その華やかな空気を感じて幸せな気分になれるような舞台を作る上で、衣裳もその一端を担えたら、と思っています。

衣裳デザインというジャンルから、ご自身のカラーと東京シティ・バレエ団とがリンクしていくような部分があれば教えて下さい。

私は歴史的な衣服が好きでこの仕事を始めました。ですが衣裳をデザインするということは、歴史的な事を知った上で何か新しいものを生み出さなくてはなりません。東京シティ・バレエ団も、伝統を活かして新しい挑戦を続けていらっしゃいます。温故知新とでもいいますか……その辺りにとても共感を覚えます。