愛知県出身。早稲田大学第二文学部卒業後、「工房いーち」林なつ子氏のもとで衣裳制作を学ぶ。イタリアに渡り、国立美術学院 Accademia di Belle Arti di Rome にてディプロマ修得。琵琶湖ホールのヴェルディ・オペラシリーズでスティーブ・アルメリーギ氏のアシスタントを務めデザインの現場で研鑽を積む。アントニー・マクドナルド、ロバート・パージオーラ各氏の衣裳アシスタントを担当。日生劇場『マクロプロス家の事』、東京二期会『ワルキューレ』『カプリッチョ』『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ』『チャルダーシュの女王』、東京室内歌劇場『曽根崎心中』『オルフェオ』『妻を帽子と間違えた男』『往きと復り』などの衣裳をデザイン。東京シティバレエ団では『ロミオとジュリエット』『ジゼル』『白鳥の湖』の衣裳を手がける。ローマ在住。
最初のシーンを1600年代前半から半ばに設定し、その後眠りについて目覚めるまでを王と王妃、貴族たちの衣裳とヘアースタイル等で100年の年月の経過を見せたいと思っています。彼らが眠りについている間にバロックからロココに外の世界は移り変わっています。王と王妃はどちらも白と金とロイヤルブルーが基調になっていますが、イメージの違いを見ていただけたらと思います。
薔薇のつばみのような若く愛らしい姫君を表現したいと思いました。屈託のないオーロラ姫の踊りに軽快さが出るよう薄く軽いピンクを選びました。
1700年代の半ばの貴族の狩の肖像画を参考にしました。王子の若々しいけれども少し物憂げなイメージを色と素材で表現したいと思います。
カラボスはまさに悪役という感じにしたいのですが、同時にかっこ良さもあった方が邪悪さが出るのではないかと考えました。マントや袖の捌きが踊りの表現の一部になると良いのではないかと思っています。手下達はカラスのイメージです。
眠り続ける姫を守る森の化身です。優しいだけでなく森の怖さ恐ろしさを出したいと思いました。森の木や葉のイメージを軽いくて透明感のあるオーガンジー等を何枚も重ねて表現しています。
王子達はそれぞれフランス、イギリス、ロシア、インドからの求婚者です。それぞれ民族衣裳の雰囲気が出るようにデザインしました。フランス王子にはバレエの生みの親ともいわれる太陽王ルイ14世の舞台衣裳のイメージを入れてみました。